第10回全国路面電車サミット2010富山大会その5
(第10回全国路面電車サミット2010富山大会その4からの続き)
さて、大会2日目、午前中は関係者向けのイベントが開催されていました。また関連イベントして、富山芸術環状線 Art Go Round が開催されていました。セントラムの富山駅前電停では、QR コード付きのボックスを被った変な人がいましたが、やはり富山で現代アートってずれている感覚が否めません。
富山駅は北陸新幹線工事中で、乗り換えが大変時間がかかるようになっています。セントラムに乗って富山駅前から国際会議場まで移動します。運転士は女性の方でした。料金は200円ですが、「えこまいか」なら170円になります。
さて会場ではお昼からは、お楽しみ抽選会、ビデオ上映があり、続いて「徹底討論会」が開催されました。討論に先立って同志社大学商学部教授(交通経済学専攻)の青木真美氏より「問題提起」がありました。
LRT がなぜ普及しないのか。欧州では導入が進んでいる LRT が日本ではまだ普及が進んでいないことに対する問題を浮き彫りにしています。
また「道路空間は誰のものか?」ということで、道路交通法では車に付いてしか明記されておらず、歩行者の権利が明記されていないという指摘がなされていました。また実際に道路においては車の占有率が高いわけですが、これを再構成することを提案しています。
また、面積が同程度の欧州の国に比べて、日本は道路に対する投資額が高すぎることや、行政投資額の27%が道路に使われているという道路偏重が指摘されました。「日本の道路はありすぎる」という指摘です。これはガソリン税の一般財源化と合わせて、鉄道などの公共交通にとうしされとよいと思います。
さらに、日本のガソリン税は高いのか?、日本の品効率はアメリカ並み、といった問題も指摘されました。大変勉強になりました。
続いてフォトライターの矢野直美さんや、ひたちなか海浜鉄道の吉田社長などを交えて、討論が行なわれました。パネリストだけではなく会場からも発言が多数ありましたが、団体ではなく個人で発言したり、要領を得ないで長時間発言する人がいるなど、討論としてはいささか何があったかと思います。
個人的な感想をここで述べるなら、LRT の導入や路面電車の存廃・延伸といった問題は鉄道好きの人が集まって話をするのではなく、もっと門戸を広げてまちづくりの一部として話し合いをしていかなければならないということを強く感じます。
また、国の支援策はかなり整ってきていますが、自治体レベルでは温度差もあり、富山市の森市長のような市長がいないと現実的には導入の話が進まないのが現状です。堺市が反対派の市長を当選させてしまったのは、やはり理解を得られていないのだと思います。
国が自治体を支援するのではなく、整備新幹線のように積極的に国策として LRT を普及させていかなければならないのではないかと強く思います。いずれ車を運転できない人口が増えた時から検討を始めていては遅いと思うのです。
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初めまして、私は「軽便鉄道博物館 Blog」の広報担当Mと申します。富山のフォーラムにも参加いたしておりました。特に森富山市長の講演には感動いたしました。
さてただいま当方のブログ更新中なのですが貴殿のブログのレポート内容は素晴らしく差し支えなければ私のブログでもご紹介させていただきたいと思いますのでよろしくお願い申し上げます。もしご都合が悪い場合にはお手数ですが当方のコメント欄に書き込みをお願いいたします。
軽便 鉄道 博物館 Blog(三岐鉄道北勢線 阿下喜駅)(運営団体ASITA)
http://blog.livedoor.jp/asita381/archives/1401924.html
コメント by 軽便鉄道博物館広報担当 — 2010-06-15 21:55
ご紹介の件、快諾いただきましてありがとうございました。フォーラムについてのていねいな解説は聞き漏らした部分も含めておさらい出来ました。
貨物にも興味がお有りでしたら近くの三岐鉄道丹生川駅に貨物鉄道博物館もございます。機会がございましたら軽便鉄道博物館ともどもご来館ください。どうもありがとうございました。
http://frm.kans.jp/
コメント by 軽便鉄道博物館広報担当 — 2010-06-17 01:56