いまさら北陸新幹線開業後の並行在来線の運営について
asahi.com:並行在来線の経営で市民アンケートという記事を読んで驚きました。北陸新幹線開業後の並行在来線運営に関して、6割近くの人が「経営分離せず、引き続き責任をもって経営・運行すべきだ」と回答したのだそうです。
並行在来線の経営で市民アンケート 2010年06月14日 JR関与求める声が9割超
2014年度末予定の北陸新幹線開業に伴い、JRから経営分離される並行在来線(北陸線)について考える市民団体の催しが13日、富山市内であった。一般県民対象に独自集計したアンケートで、9割超の人が並行在来線に対するJRの関与を求めている実態などが報告された。
「公共交通をよくする富山の会」が主催。世話人で富山高専講師の岡本勝規さんは、今年4月11~5月6日、県内の北陸線各駅周辺の住民約500人に実施したアンケートの内容を報告した。
それによると、在来線に対するJRの果たすべき役割について、58%が「経営分離せず、引き続き責任をもって経営・運行すべきだ」と答え、32%が「経営分離しても第三セクターの経営が安定するまでかかわるべきだ」と答えた。JRの関与に否定的な意見は2%程度だった。
国が果たすべき役割でも「経営分離の方針を改める」(58%)、「三セク経営への支援制度充実を」(30%)などと、圧倒的多数が強い関与を望んでいたという。
新幹線が来れば並行在来線が経営分離されるのは分かっていたことで、あまりにも無責任すぎると感じます。てっきり枝線の議論かと何回も読み直してしまいましたが、アンケートのページを見ると、間違いなく北陸本線のことを指しているようです。
新幹線も欲しい、だけど並行在来線はいままで道理運営して欲しい。これが希望なのだと思いますが、そううまくはいかないでしょう。私も気持ちは分かりますが、それは無理な話です。
これまで日本の各地方ではこのように道路・新幹線・空港・港湾となんでも求めてきましたが、それらが破綻しかかっているのは様々なニュースで明らかになっています。地方空港の問題なんかもその例です。新幹線を求めるには代償が必要なのですし、その上で建設に同意してしまっているのですから。
日本海縦貫線は貨物の大動脈だから、という人がありますが、JR貨物は線路を保有していませんので経営分離には直接関係しないでしょう。むしろ貨物列車が走っていても経営分離された東北本線や鹿児島本線のケースを想定しなくてはなりません。貨物列車が走る高規格な線路の医事に第三セクターが悲鳴を上げることは想像に難くありません。
北陸本線の場合、七尾線・城端線・氷見線・高山線・大糸線といった枝線の経営分離をどうするかという議論もあります。しかし富山港線を切り離したJR西日本が積極的に運営を望んでいるとは考えられません。(中にはやる気のある人もいるでしょうが)
北陸新幹線の建設は着実に進んでいますが、いまだ経営分離後の会社体も設立されていない状態に危機感を覚えなければならないと思います。すでに新潟県は独自の第三セクターを作ることを決定してしまいました。このままJRに運営を求めてもなんなりと首を縦には振ってもらえないのではないでしょうか。
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