第10回全国路面電車サミット2010富山大会その3

2010-5-24 23:31

第10回全国路面電車サミット2010富山大会その2からの続き。)

富山国際会議場から見たセントラムと富山城

つづいて「まちづくりと一体となったLRT等の公共交通の推進施策について」というタイトルで国土交通省都市・地域整備局の吉田氏による講演が行なわれました。

まちづくりと一体となったLRT等の公共交通の推進施策について

路面電車の残っている都市は CO2 排出量が少ないということから始まり、国土交通省の総合交通戦略の話がありました。これは路面電車や LRT 以外の取り組みも含まれ、金沢や高岡、福井などの各都市の取り組みが紹介されました。

都市構造とCO2排出量の関係

岡山、宇都宮の LRT の取り組みも紹介されましたが、既存のバス会社との調整も必要など課題もあるようです。路面電車が残っている街とそうでない街では、LRT に対する温度差がかなりあるようです。

また茨城県の私鉄廃線跡を活用した BRT 事業についても取り上げられました。個人的には「都市の将来像を決めずに LRT の整備だけを決めると躓く」という話が印象的でした。富山の成功のポイントはまさにここだと思います。

LRT総合整備事業について

LRT プロジェクトについても解説がありました。いまは車両・軌道・施設などなど補助の対象とならないモノは無くなったそうです。半分は補助でできるとのこと。

ここまで国土交通省が手助けをしているのに、各都市で路面電車・LRTの整備が検討段階から進まないのは残念なことです。欧州では多くの都市で軌道が復活していますが、日本ではまだまだこれからです。

おそらく、高いと思われている日本のガソリン税率が、欧州に比べてまだまだ低いことも関係しているでしょう。また国のスタンスが「LRTを整備したい自治体を支援する」にとどまっており、国の方針として「LRTを積極的に整備する」というスタンスでないこともあるでしょう。

政府が本気でCO2を削減し、コンクリートから人へを実現するなら、高速道路や整備新幹線の1割の予算でも地方の鉄道整備・路面電車の整備に投入するなどの政策が必要なのではないでしょうか。

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