銀雪の中に現われたケキ102
12月の20日頃から雪が積もりました。その頃に富山県のとある今は使われていない貨物ヤードに珍客が訪れました。
元ひたちなか海浜鉄道の「ケキ102」というディーゼル機関車です。新潟鉄工製のロッド式ディーゼル機関車で、元々は茨城交通で貨物列車の牽引に活躍していました。2005年に引退したあとも、自走可能な状態で、売りに出されていました。そして、昨年の17日にひたちなか海浜鉄道から、キハ223とともに搬出されていました。
そのケキ102が港に近い某貨物ヤード跡地に出現したということで、早速、雪の中を確認に行きました。確かに雪に覆われた旧ヤードにぽつんとディーゼル機関車の姿が。降り続く新雪の中、ひとりさびしく笠の雪に堪え忍んでいるようでした。ロッド式の足回りもよく分からない状態です。
一週間後、晴れた日に再訪すると、屋根の雪はすっかり融け、足回りも確認することができました。海の近くで冬の日射しを浴びながら、過去の記憶を思い出していたかもしれません。
なぜこのケキ102が遠い富山の地に運ばれた来たのかはわかりませんが、ひたちなか海浜鉄道の社長は万葉線株式会社の出身であることが関係しているかもしれません。現在富山県では、伏木富山港の多目的国際ターミナルに鉄道引き込みを検討していると報じられています。多目的国際ターミナルは万葉線の海王丸駅近くです。
個人的には高岡貨物駅から旧新湊貨物線の跡地を延伸し、万葉線六渡寺駅から万葉線の新湊港線乗り入れて海王丸駅近くから引き込み線にするのではないかと考えています。万葉線は路面電車の印象がありますが、高岡駅前~六渡寺は軌道線で、六渡寺~越ノ潟は鉄道路線です。かつては六渡寺から貨物列車が乗り入れていたこともあるそうです。
上記の案が実現すれば、海洋コンテナを積んだコキを牽引したケキ102が、万葉線の橋梁を渡る姿が見られるかもしれません。……などということを夢想してしまいましたが、ケキ102には、なんとか動いている姿を見せて欲しいですね。
2010年9月2日追記
整備されたケキ102の公開イベントがあります。詳しくは美しくなったケキ102構内試運転・イベントで体験運転もをご覧ください。
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トラバ受け賜りました。ケキ102はキハ223と共に「とある方」が購入されまして。キハ223は購入者の所へ直行しましたが、ケキ102は動態保存が可能とする為に、当地から富山へ向かい再整備が行なわれるそうです。ケキ102は1971年に廃線になった茨城交通茨城線唯一の現存車輌ですんで、整備後の再展示が待ち遠しい所です。
では。
コメント by 水浜軌道 — 2010-01-2 09:42
水浜軌道さん、補足のコメントありがとうございます。動体保存ですか。それは素晴らしいですね。どこで再展示されるのか分かりませんが、私も楽しみに待ちたいと思います。
コメント by tsuchida — 2010-01-2 10:37