ファイナルフェスティバル in レンガ車庫 2009
糸魚川駅構内にある赤レンガ車庫が、北陸新幹線の建設工事に伴い、いよいよ2010年春に解体されることとなりました。そのレンガ車庫で 8月29日に「ファイナルフェスティバル in レンガ車庫 2009」が開催されました。
地元の方を中心に、毎年夏にこのレンガ車庫でコンサートが行なわれていましたが、今年がその最後となります。そこで、今回はこれまで以上の豪華ゲストが参加しました。その一部を紹介します。
マリンバ奏者の斉藤裕子による、マリンバとサヌカイトの演奏。
サヌカイトとは石琴とでもいうのでしょうか。石でできた鉄琴・木琴のような楽器でとてもきれいな音色がします。讃岐の石を使っていますが、これはフォッサマグナの発見者であるナウマン博士に関係するということで糸魚川に関連するのですね。
お次は毎年恒例のジャズバンド、「藤井信彦Nothern Jazz Quintet」。
北陸で活躍するジャズバンドと言うことで昨年に引き続き登場です。サックスとトランペットがカッコいいです。ドラマーもすごいテクニックです。最後は鉄道関係ということで「A列車で行こう」で締められました。実は富山県のメンバーが多いとか。今度機会があれば聴きに行きたいですね。
最後は特別出演のソプラノ歌手の崔岩光(サイ・イエングアン)。
中国出身の歌姫の美しい歌声を堪能できました。マイク無しでもレンガ車庫に響き渡る美声にみな酔いしれていました。こんなに盛りだくさんで当日券 800 円のコンサートはお得だったと思います。
レンガ車庫の今後について
惜しむ声もたくさんあり保存活動もあったようですが、JRによると4億円の費用がかかるということで糸魚川市での費用捻出は難しく、保存は断念されました。
レンガ車庫内は、蒸気機関車自体からの煤で黒ずんでいました。大正元年に建築されたこの建物は、大正・昭和の香りを残した現役の施設であり、新幹線建設による取り壊しは大変もったいないと思います。
また近代産業遺産の認定もされていませんが、申請もされなかったのでしょうか。黒部市では赤煉瓦造りの発電所を美術館に改装しています。同じような活用方法が取れなかったことが悔やまれます。
JR や新潟県がその気になれば、数千億円単位の新幹線建設の一部事業として、移築はできたと思いますが、そのようなアプローチは行なわれなかったのでしょう。部分的な保存が試みられるそうですが、車庫としての面影は失われてしまうでしょう。
追記:今後のイベント開催について
2010年2月末にレンガ車庫で気動車を並べての撮影会が予定されているとのことです。気動車キハ52も、レンガ車庫とあわせるかのように2010年春で大糸線を去ります。
鉄道ファンでごった返す撮影会となりそうですが、最後のチャンスですので足を運んでみませんか。
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